3月30日，千鳥ヶ淵・花見

会社帰りに，千鳥ヶ淵に夜桜を見に行ってきた．

九段下駅を降りた時点でお濠と桜の光景が目に入ってきて，これが有名な千鳥ヶ淵の桜なのかなと思ってみていたが，違った．よくわからなかったので，北の丸公園に入る．

公園内には特に何もなく，武道館を通りすぎ，進む．暗いし，道を間違った感がアリアリで不安だったが，夜の北の丸公園を不審にうろつくのも悪くないと思い直し，そのまま進む．

そのうち千鳥ヶ淵の公園側に出た．なかなか立派な桜があり，暴徒鎮圧用みたいなライトが輝いていた．宴会をしているグループもいた．桜があったことに安心したが，ライトのせいでひどく寒々としており，風情も何もない．「千鳥ヶ淵の桜はがっかり桜だ」と友人と話しながら，北の丸公園を抜けた．

北の丸公園を抜け，特に当てもなく延々と歩いた．千鳥ヶ淵に沿って歩いて九段下駅へ戻ることにした．

当然といえば当然で，思い当たらなかった私らがアホなのだが，移動のためにと歩きはじめた千鳥ヶ淵沿道こそが千鳥ヶ淵の桜の名所なのであった．延々と濃い密度で並ぶ桜が，色とりどりにライトアップされている．

人ごみを差し引いても，見に来てよかったと思えるものだった．

思いがけず数キロ歩くことになった．しかし，千鳥ヶ淵の桜は壮大だったし，歩くことも嫌いではないので，悪くはなかった．